”白露” 当日(9/8)期間(9/8〜9/22)
大暑は新暦の9月7日頃で、太陽の黄経が165度を通過する日です。朝晩の涼しさに秋の訪れを知る頃。草の葉の先に結んだ露が白玉のように美しい。夏日の続いた都心の残暑も一息つき、最低気温がそろそろ20℃を割り込む日も訪れる。風のないよく晴れた夜は、大気が冷やされ、水蒸気が凝結して、草木や地表の物体に水滴を作る。夜間の気温降下が大きい夜ほど、早朝にたっぷりの露が見られるが、この時期は夏の湿った大気が残っていて、さらに夜長で冷え込みが強まるために露を結びやすい。旧暦8/15は十五夜。新暦では9月中旬から下旬ごろの満月の「中秋の名月」を鑑賞する。収穫を感謝する農耕の感謝祭の一つで、芋を備えることから8/15の月を「芋名月」9/13の後の月には栗や枝豆を備えるので「栗名月」「まめ名月」の呼び名がある。この名月の頃、潮位が最も高くなる。
◼️旬のネクタイとチーフ
◼️旬の言葉
「重陽の節句(ちょうようのせっく)」
9月9日は「重陽の節句」。重九(ちょうく)の節供、菊の節供とも呼ばれる五節供の一つ。1/7 3/3 5/5 7/7 とともに、中国の陰陽説では奇数の並ぶ日は縁起の良い日とされ祝日とされた。1番大きな9が重なる 9/9 は、「陽の極まった数の重日」で、邪気を払い長寿を願います。重陽の節句は、平安時代に日本に伝来し、官中行事として菊を眺める「観菊の宴」を開き、菊酒を飲み詩歌を詠んで長寿を祈った。江戸時代には、諸大名が江戸城に集まり菊酒を飲み、栗飯を食べ菊花を鑑賞したそうです。
◼️旬の魚介
「鮑(あわび)」
貝のご馳走食材、あわび。旬は8月〜10月。日本で食べているのはクロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、アダカアワビ。あわびは、巻貝の仲間で、2枚あるはずの貝殻の片側がないから、合わぬ身、転じてあわびという名になったとか。刺身にするのは簡単で、ステーキナイフなどで身を取り出したら、薄く切るだけ。肝は茹でて添え、醤油に溶いても、そのまま食べても美味。
◼️旬の野菜
「なす」
秋野菜の楽しみのひとつは、やっぱり、なす。網であぶったなすにかつお節をかけて醤油で、なんて酒の肴として外せません。旬は6月〜9月。一説によると、夏にとてることから夏実と呼ばれ、なすび、なすとなったそう。薄紫の花を咲かせた後に、次々実ができます。手軽に栽培できるので、家庭菜園でも人気者。
◼️旬の果物
「梨(なし)」
みずみずしく、シャリっとした歯応えが快い梨。旬は8月〜10月。弥生時代の遺跡から、梨の種が見つかり、この頃から食べていたという説も。クエン酸やアスパラギン酸などを豊富に含み、疲労回復にいい果物です。大好きな果物の一つ。
◼️旬の和菓子
「吹上の浜(ふきあげのはま)」虎屋 製
和歌山県紀ノ川河口の西浜一帯はその昔、「吹上の浜」と呼ばれ、浜に咲く菊の姿は歌に詠まれてきました。『吹上の浜』は、菊の花が浜風にゆらめくさまを表した、優雅な趣あるお菓子です。西洋的な色カタチにも見えます。
◼️候の木草花
「秋の七草(あきのななくさ)」
萩(はぎ)、すすき、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)。万葉集で、山上億良(やまのうえ おくら)が秋の七草を歌っています。いちどきに咲くのではなく、秋が深まりながら花開いていく7種の草花。たとえば萩は、万葉集で最も歌われるはな。秋の字が用いられるほど、秋の花としてなじみ深いものです。逆に、藤袴や桔梗は、自生できる野山が少なくなり、絶滅の危機に瀕しているとか。種を絶やさぬように、人の手で育て守ろうとする動きも。写真は撫子と桔梗@京橋
「秋の野に咲きたる花を指おり かき数えふれば七種の花」 山上億良
◼️候の生き物
「鶺鴒(せきれい)」
チチィ、チチィと鳴く、尾の長い小鳥が鶺鴒の一種、白鶺鴒(はくせきれい)。歩くときに尾を上下に振りながら地面を叩くようにする仕草は、石たたきと呼ばれます。鶺鴒は日本書紀にも登場するというから驚きです。尾を振る様子を男女の交わりに見立てたのが、イザナギとイザナミが契りを交わそうとした時、その仕方を教えたのが鶺鴒でした。小鳥の尾を振る動きで、神様たちはピンときたのでした。
写真@Wikipedia
文(一部)@季節と自然のガイドブック @日本の七十二候を楽しむ