”霜降” 当日(10/24)期間(10/24〜11/7)
霜降は新暦の10月23日頃で、太陽の黄経が210度を通過する日です。秋もいよいよ深まり霜が降りだす頃。東京や大阪で霜が降り始めるのは、あとひと月先の頃で、実態とはややかけ離れてた感もありますね。周期的に寒暖を繰り返し、気温は日一日と着実に下がり、冬へと向かう。北海道、本州の北部や内陸部などでは初塩を見せ、その冷気に木々の葉は次第に黄や紅を帯び、山はやがて錦色に装い、年の最後の晴れ姿を見せてくれる。霜は地表付近の空気が0℃以下になり、空気中の冷えた水蒸気や木の葉などの表面で氷の結晶になったものだから、霜が降りる本番は冬で、冬の季語で、晩秋に降る霜は「秋の霜」と呼ぶ。露が凍って、露か霜か定かでない、露の中に霜が混ざり、今にも着せそうな霜が「露霜」あるいは「水霜」で、そのころの寒さが「露寒」。「露時雨」は、一面に梅雨が降り、まるで時雨が降った蚊のような有様。
◼️旬のネクタイとチーフ
◼️旬の言葉
「山装う(やまよそおう)」
秋の山が紅葉するようすを、山粧うと言います。また、春の山の爽やかな初々しさは、山笑う。夏の山の青々としてみずみずしい様は、山滴る。(したたる)。冬のやまの枯れた寂しさは、山眠る。めぐる季節それぞれの山の表情を捉えるのは、郭熙(かくき)と言う、11世紀の中国の、北宋時代の画家の言葉に由来しています。まるで山が生きているように、そこに宿る草木が生い茂っては、色づき、枯れ、また芽吹く一年を、大きな心でいい表しているよう。
◼️旬の行事
「宇和津彦神社秋祭り」
宇和津彦神社、通称一宮様(いっくさま)の秋祭りは、愛媛県の宇和島で10月28日と29日に行われます。目を惹くのは牛鬼。たくさんの男手に掲げられ、神輿を先導して街を練り歩きます。赤い布に上半身をおおい、鹿のお面をつけて少年たちが踊る八鹿踊り(やつしかおどり)も見所。
@いよ観ネット
◼️旬の魚介
「きんき」
赤い美しい見た目に、脂がのったきんきは、煮付けが絶品。皮下のゼラチン質には旨味が詰まっていて、皮霜造りでいただくのがいちばん美味とも。旬は秋〜冬。
@グルメ写真館
◼️旬の野菜
「さつまいも」
日本では江戸時代から栽培が始まったという、さつまいも。じんわりとした甘味で、煮ても焼いても美味しく味わえます。熱々に蒸した石焼いもは寒い時期の楽しみ。ビタミンや食物繊維が豊富なのも嬉しいところ。旬は11月〜12月。
◼️旬の果物
「りんご」
「1日1個のりんごで、医者いらず」と言うほど、りんごには栄養素がいっぱい。カリウム、カルシウム、鉄分、食物繊維、ビタミンC・・。その上甘い密に満ちて、しゃくっという歯ごたえも小気味良い果物です。ペクチンやポリフェノールを含む皮の部分も一緒にオーブンで焼いて、焼きりんごにしても。旬は秋から冬。10月は、甘酸っぱいシナノゴールドや千秋。11月の中旬になると、大好きなフジが出てきます。
◼️旬の和菓子
「吹き寄せ」
秋分の日にお供えするおはぎは、春にはぼた餅と呼ばれます。この二つは同じもの。ただ昔は、秋に収穫したての小豆をそのまま潰して案にしたのがおはぎで、冬を越して固くなった小豆をこしあんにしたのがぼた餅、という違いはあったようです。春の牡丹、秋の萩に見立てて、牡丹餅(ぼたもち)、御萩(おはぎ)と呼びました。
◼️候の木草花
「紅葉」
紅葉といえば楓のことですが、すぐに思い浮かぶのは、開いた手のひらの形をしたいろは紅葉。また、様々な木々が色づく様を、桜紅葉、柿紅葉などと呼びならわします。語源には、草木が赤や黄に染まることを「紅葉つ(もみつ)」「黄葉つ(きみつ)」といい、その葉を「もみち」と呼んだことから。秋も深まると、紅葉の時期が待ち遠しくなります。
◼️候の生き物
「ひよどり」
ヒーヨ、ヒーヨと鳴く声から、ひよどりと言う名がついたとも。木の実や、藪椿などの花の蜜を好みます。人里でも見かける身近な野鳥で、庭先にみかんやりんごを置いておくと、食べに来ることも。平安時代、貴族の間では、飼い主をちゃんと見分けるので、よくこの鳥が飼われていたとか。
文(一部)@季節と自然のガイドブック、日本の七十二節季を楽しむ