”夏至” 当日(6/22)期間(6/22〜7/6)
小満は新暦の6月21日頃で、太陽の黄経が90度を通過する日です。太陽は赤道から最も北へ離れ、北半球での南中高度が最大となり、一年で昼間の時間が最も長く、夜の時間が最も短い日です。しかし梅雨最中の地方では、日照時間(直接日光が地表を照射した時間)が冬至より少なくなったりもします。夏至は夏季の中間にあたり、梅雨の最中の季節。大陸やオホーツク海からの高気圧が本州を覆い、梅雨前線が南に遠ざかり、南の亜熱帯高気圧が北上して真夏のような「五月晴れ」の炎天が現れることもあります。沖縄では平年 6月23日が梅雨明け。
◼️旬のネクタイとチーフ
◼️旬の言葉
「祗園祭」
京都の夏の風物詩、祗園歳は八坂神社の祭礼で、7月1日から1ヶ月も行われる長いお祭りです。平安京で疾病が流行った貞観11年(869年)に、無病息災を祈る儀式が行われたのが起源と言われています。最大の見せ場は、17日の山鉾巡業。鉾や薙刀をたてた山鉾が、四条烏丸から京の町をめぐる一大イベントです。あの祗園囃子の「コンコンチキチン コンチキチン♫」の音色は、川端康成の「古都」の双子の姉妹、苗子と千重子が祗園祭りで、八坂神社の御旅所で出会ったシーンを思い出します。
山鉾の写真@朝日新聞デジタル
◼️旬の魚介
魚介類では、鱧。関東では料理屋さんの魚という印象ですよね。関西では日々の食卓に上がるそうです。梅雨入りから7月ごろが脂の乗る旬。先日、天ぷら屋さんで初 鱧、いただきましたが、夏到来という気分になります。青、カンパチも脂が乗って、お刺身でいただくと、とろりとした脂を味わいつつも、クセがなく、さっぱりとして美味しい季節。
ハモの写真@はりかい woman excite
◼️旬の野菜
旬の野菜は、茗荷(ミョウガ)、胡瓜(キュウリ)オクラ。ミョウガは冷奴や素麺の薬味として欠かせないですね。ショウガ科の薬用野菜で、九州など南の地域では、この時期から出回ります。独特の香りと歯ごたえに、夏の疲れがすっと抜けそうです。キュウリは、6世紀後半に中国から伝わったそうですが、本格的に栽培され始めたのは、幕末だとか。その背景には、切り口が八坂神社の紋に似ていることから禁忌作物にされたり、徳川の葵の御紋を彷彿とさせると武士が口にしなかったなど、日本ならではの理由があったそうです。面白いですね。
◼️旬の果物
この時期は、杏(アンズ)や夏みかん、さくらんぼ。アンズは中国北部が原産地で、スモモや梅の仲間。春に淡いピンク色の花を咲かせます。日本には古代中国から伝わり、「万葉集」にも「杏人」の記述あり。種子の中の白い仁は杏仁と呼ばれ、咳止めの薬などとして使われてきたそうです。夏みかんは、代謝を良くして疲れを和らげるクエン酸も、美肌や風邪予防、老化を抑えるビタミンCも、たっぷり詰まっています。酸っぱくて香りが良いのでサラダにかけても美味しいです。写真は杏(あんず アプリコット)と山形のさくらんぼ、佐藤錦です。
◼️旬の和菓子
水無月と若鮎。水無月は、6月30日が1年のちょうど折り返しにあたり、半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する神事「夏越祓」(なごしのはらえ)が各神社で行われます。下の写真は神田明神。この日に各家庭で食されるお菓子が水無月。水無月の小豆は悪魔払いの意味があり、三角のういろうは暑気を払う氷を表しています。
◼️候の木草花
半夏生(ハンゲショウ)に紫陽花(アジサイ)紫陽花はヤマアジサイの方が、園芸種の大玉よりなぜか風情がありますね。それもやはり雨に濡れている姿がみずみずしく。七十二候の末候の半夏生の半夏は、カラスビシャク。毒草ですが、姿も毒蛇が鎌首ともたげ、細長い舌を出しているような奇妙な姿です。
カラスビシャク(半夏)@asahi.net 半夏生@日本気象協会
◼️候の生き物
梅雨トンボ。幼虫期を水中で過ごすトンボは、水の枯渇の心配のない梅雨期を生育期間とマッチングするように進化したのだろうか。梅雨盛りの芒種から夏至にかけて羽化するトンボは数多い。赤とんぼを代表とするアキアカネやナツアカネもこの時期に成虫になる。
トンボの羽化@山中湖観光情報